留学にはお金がかかります。費用は決して安くありません。
特に学生ならば、両親に頭を下げてこの費用を出してもらわなければいけません。
果たして留学にそれだけの価値があるのだろうか?
この疑問は、留学を志す多くの人が一度は考えたことがあるはず。
留学期間中をどう過ごすかで得るものは大きく変わっていきます。
高い費用を払っての海外留学に価値を見出せるかは自分次第でしょう。
私は留学中、出来るだけ多くのことを学ぼうと、あえて様々なイベントに参加したり人に話しかけてみたりしました。
今回はそんな私が2年間で学べた大切なことをお伝えします。
1.出会いは素晴らしい
留学をすると、信じられないくらいたくさんの人々に出会います。
日本では見つけられない文化的背景、宗教、考え方。
私はよく「もし私が留学の決断をしていなかったら…?」と考えたものです。
もし今も日本で暮らしていたら、この人達に出会って新しい視点を得ることができなかったかもしれない。
また逆に、日本にいたら会っていたであろう人達との出会いは、海外にいることによって消え去っているのです。
この考え方を通して、私は出会いを大切にすることを覚えました。
もちろん日本に居ても出会いを大切にすることはできます。
それでも、世界の裏側に住んでいた人と友達になれているという事実がより一層「出会い」の大切さを私に教えてくれました。
2. 自分のコミュ力の無さは英語のせいではない
留学して始めの頃の私は完全に自信を損失していました。
自分の英語が通じない。
日本語のようにジョークを交えて話せない。
よくスラスラと英語を話す人を見ては「あの人のように流暢な英語が話せたら、もっと友達を作れるのになあ…」と考えていました。
その考えを変えるきっかけとなったのは、留学して半年ほどで出会ったある留学生。
びっくりするくらい、英語がヘタクソでした。
そんな彼女、色々な人に話しかけては友達を作っており生活に不足は無さそうでした。
多くの人と関わり会話を交わしていく彼女の英語はだんだんとネイティブに近いものになっていきました…
そう、私は順序を間違えていたのです!
英語ができる→友達が増える
ではなく、
友達が増える→英語を話す機会が増える→英語ができるようになる!
なのです!
もちろん、英語ができるようになったらまた更に友達が増えて…とポジティブな循環が続くわけですが、そのサイクルの初めのステップは友達を増やす、です!
そこから人々に積極的に話すよう努めるようになって分かったことは、英語ができないという内在的な意識からくる自信のなさが友達作りに悪影響を与えていた、ということ。
英語力よりも単なる自信不足によるコミュニケーション能力の欠如が、友達作りにおける一番の障壁でした。
日本人は英語ができない、とはよく言われます。
でもそれでいいんです。留学は英語を学ぶ機会なんだから、留学してから学べばいいんです。
人と関わろうとする姿勢が一番大切です。英語力向上はその副産物なのです。
3. 日本にはいいところが山ほどある
海外に足を踏み入れた経験のなかった私にとって一番新鮮だった体験は、生活の中で日本の特徴が浮き彫りになってくることでした。
イギリスの文化に触れているはずなのに、私の頭には日本の特徴が今までよりはっきり浮かんでくるようになる感覚。
例えば、イギリスの電車が何時間も遅延した時始めて日本の電車がどれくらいスケジュール通りに運営されていたかが分かりました。
「ないもの」が一番はっきり見えるのです。
もしかすると、はっきり見えるものが一番「見えない」ものなのかもしれません。
外から日本を見たことで日本のいいところが無数に思いつくようになりました。
これによってもちろん日本の悪いところもはっきり見えてはきます。
でも、日本にあるいいところは、よりたくさん浮かび上がるのです。
4. 世の中は信じられないくらい、広い
私が2年間で出会った数え切れないくらい多くの人々は、本当に本当に多種多様でした。
どれだけの時間を費やしても全世界70億人と出会うことはきっと不可能。
世の中は私が思っているより何万倍も広いのだと気づかされました。
小さな人間関係で悩んでしまうときはこのことを思い出すようにしています。
世界にはいろーーーんな人がいる。「普通」なんて、存在しないんだと。
一つのグループにうまく適合できないことで自分を否定してはいけないんだ、と。
5. どんなに頑張っても、一生分かり合えない人もいる
そんな多種多様な人々との出会いは時に喜ばしく、でも時には少し寂しくなることもありました。
それは、育ってきた文化や環境が根本的に違うと、考え方が信じられないくらい合致しないことがあるからです。
ごく稀ではあるけれど、
この人とはあまりにも違う人生を歩んできてしまったのだな…
と感じることがあります。
きっと一生分かり合えない、という人も世界には存在するのです。
そのことを体験することができたことに私はすごく感謝しています。
「私の常識」は世界の常識ではありません。
今回はちょっとディープな話になってしまいました。
でも今振り返ると、人生の早いうちにこれらのことを学べて本当に良かったと思っています。
留学を考えるうえで参考となれば幸いです。